印刷前の3つの確認

本機は、UV-LED ランプ光の反射やインクミスト(印刷時に出るインクの飛沫)によって、プリントヘッド表面に付着した インクが硬化することがあります。プリントヘッド表面に付着したインクが硬化するとドット抜けの原因になり、そのまま 使い続けるとプリントヘッドの交換が必要な故障にいたることもあります。

ドット抜けを防ぐためには日常的なクリーニングが重要ですが、印刷前に確認しておきたい3 つの重要なポイントがあります。

1. 光を反射しやすいものを使わない

鏡やステンレスなどのUV-LED ランプ光が反射しやすいものはプリントヘッド表面の硬化を促進しますので、印刷対象物として使えません。

2. プリントヘッドとの距離を近づける

プリントヘッド()と印刷対象物()表面との距離が広がるほど、インクミストが発生しやすくなります。印刷対象物の高さを手動で設定する場合は、印刷対象物表面とプリントヘッドの距離をできるだけ近づけてください。自動で設定した場合は約1 mm離れた位置()に設定されます。


3. 治具の必要性を検討する

  • 印刷対象物とプリントヘッドとの距離が広いと、インクミストが発生しやすくなります。そのため、印刷対象物の大きさや形状によっては、治具が必要です。次の条件に当てはまる場合は、治具を用意してください。

    • 印刷対象物だけでは、印刷するデータサイズ(幅)の左右40 mmのエリアに余白を確保することができない


      プリントヘッド データエリア
      印刷対象物 余白:40 mm以上
      治具 実際に印刷する面からの高低差が2 mm未満
    • 印刷対象物の表面に高低差が2 mm以上ある


      プリントヘッド データエリア
      印刷対象物 余白:40 mm以上
      治具 実際に印刷する面からの高低差が2 mm未満
  • 治具を検討する際には、治具に穴をあけヘッドリフレッシャーを治具の上に取り付けることも併せて検討してください。これはヘッドリフレッシュの作業効率と印刷品質に影響します。

    印刷対象物は厚さ100 mmまでセットできます。しかし、治具の厚みが55 mm以上になると、ヘッドリフレッシャーの取り付け高さが100 mmを超え、ヘッドリフレッシャーの高さ調整範囲外になります。このような場合には、ヘッドリフレッシュは治具を取り外して行う必要があります。

    • ヘッドリフレッシャーの標準位置


      プリントヘッド ヘッドリフレッシャー
      印刷対象物    
    • 取り付けたままでヘッドリフレッシュが可能な治具


      プリントヘッド ヘッドリフレッシャーの高さを変更して使用できる治具
      標準位置のヘッドリフレッシャーが使用できる治具 55 mm以下
    • 治具を取り付けたままではヘッドリフレッシュができない治具


      ヘッドリフレッシャーより高い治具 ヘッドリフレッシャーの取り付け位置が標準位置より55 mm以上高い治具